タバコくさい息が顔に
かかってゾッとした。



でももう、あたしと
ユウキの唇には拳ひとつ
ほどの距離もない。



ウソでしょ?

どうしよう――やめてよ!



いろんな思いがグルグル
胸の中を渦巻いてるのに、
実際には顔をそむけること
すらできなくて……。



(もうダメだ……!)



ほんの一瞬だけユウキの
唇の感触を感じた、まさに
その時。



――バタン! っていう
金属のきしむ激しい音が、
その空間をつんざいた。



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