《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜

耳に割り込んできた声に
ビクッと顔をあげると、
いつの間にかユウキが
あたしのすぐ前にいた。



彼はニヤリとしたやらしい
笑いを見せると、次の瞬間
いきなりグイッとあたしの
腕をつかむ。



「きゃっ……!」



抵抗する余裕なんてなかった。



ユウキは近くにあった非常
階段に続くドアを素早く
開けると、あたしを強引に
引いてその外に出る。



バタンと鉄製の扉が音を
たてて閉まるのと同時に、
あたしはコンクリートの
冷たい壁に押し付けられてた。



_