そして次の瞬間、あたしの
体は玲斗の両腕にフワリと
包まれてた。



それは本当に“フワリ”
って形容がふさわしい、
あたしの知る玲斗からは
信じられないほど優しい動作で。



その次にあたしの耳をくす
ぐった言葉も、夢のように
穏やかで優しい響きだった。



「陽菜はただ、“感じて”
いればいい。

“愛される”っていうのが
どーゆーことか、オレが
教えてあげるから――」



鼓膜を震わせる、甘くて
魅惑的なその声に。



――あたしは魔法に
かかったみたいに、
ゆっくりとまぶたを
閉じていった――…。





     ☆☆☆☆☆



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