クラブが終わった。





「紗那、帰ろう」





あたしは、大国麻里亜(ダイコクマリア)。





高一の、テニス部員。







正直、テニスは、もう飽きちゃってる。


でも、途中でやめるのは好きじゃないし、彼氏も、親友の紗那も、テニス部だし。




だから絶対やめない。








「ごめん、麻里亜。今日、呼び出されてるの」





「またぁ?ま、いいや。補習頑張れ」






「ごめんね、じゃあ」





そう言って紗那は走って行った。







この二週間くらい、紗那は毎日「補習だから」と言って一緒に帰ってくれない。





ちゃんと、勉強してよねぇ…って感じ。