いつもより近い距離にいる相川くんに心臓がいつもより速く動く。


相川くんは口を開くことなく、じっと見つめられる。


なんか、恥ずかしい……。

「あ、あの…相川く…」


恥ずかしさのあまり、見つめられるのに耐えられず口を開くと

相川くんの手が伸びてきてそっと髪に触れた。


「…っ!」


ただ髪に触れられただけなのに、
胸が苦しくなって体温が上がるのがわかる。

(田中くんの時は平気だったのに…。)


相川くんはそのまま無言で髪に触れ、
指に絡める。

時折、指先が頬に触れる度に胸が音をたてる。


赤くなった顔を隠すために俯くと髪に触れていた手が頬に触れ、グイッと顔を上げさせられた。


驚いて相川くんを見ると、その表情は真剣で目を逸らすことができない。



「……さっき、田中と何してたの…?」