しかし受け継ぐのが女性限定というのは、何故だか頷ける。

古今東西、恨みの話の多くは女性が多い。

感受性が男性よりも豊かだというものもあるけど、女性は孕む。

子供もだけど、恨みも孕むモノだ。

「ふふっ。女の恨みほど、恐ろしい感情はないかもね」

恨む気持ちはそうそう長続きはしない。

しないからこそ、短期間で恐れるほど燃え上がるのだ。

わたしは山道を歩きながら、スキップした。

得たモノが良かったから、気分も浮かれているのだ。

「さて…次はどんな取り引きになるのかしら?」

取り引きを持ちかけるのはわたしだけれど、受けるのは依頼人次第だ。

そこでちゃんと説明を求められればするけれど、ほとんどスルーされるのはちょっと悲しくもある。

…まあだけど、説明をちゃんと聞いたところで、契約破棄を言い出す人間はいないんだけどね。

だからこそ、人間らしいとも言えるところが、情けなくも愛すべきところかもね?

                                   
【終わり】