いつもこんな気持ちにさせられるから、いくつ新発見があっても満足できないよ。
慣れていないような、どこかぎこちない感じの笑顔がふかやくんにすごく似合っていて、かわいくてしょうがなくて。
ふかやくんみたいな人、この先どれだけ探してもたぶん見つからないと思う。
呆けたまま始業式を終えた。
夏休み明け初日だというのに受けた授業は3つともぜんぜん頭に入ってこなかった。
いつも通り机の中にほとんどの教科書とノートを置き去りにして、ほとんどなんにも入ってないペシャンコの鞄を肩に引っかけて。
このまま自転車置き場に行くか、いつもの空き教室に行くか、一瞬悩んでしまった。
ふかやくんはきっともう走っていないんだろう。
引退したということは、もう大会には出ないということ。
それは、練習する必要がないということ。
わかんない。
でも、ふかやくんなら、もしかしたら――



