あの日からわたしの目は無意識にふかやくんを探すようになった。
そしたらいつのまにか、探さなくても目に飛びこんでくるようになった。
ツチノコふかやくんをこんなに的確に俊敏に見つけ出せるのはわたしだけなのかもしれないって思ったら、なんか無性に恥ずかしくて、廊下ですれ違うときには思わず呼吸を止めた。
それでもわたしの目はふかやくんを追いかけてしまう。
そうやって注意深くふかやくんを観察していると、毎日いろんな発見がある。
走るときにしてる萌え袖は、普段からの癖だとか。
実はカッターシャツのいちばん上のボタンを開けているとか。
天パっぽいふわふわな髪に寝癖がついていてもそのまんまにしてるとか。
歩いているときもびっくりするくらい姿勢がいいとか。
陸上部のみんなといっしょにいるときはねむたそうな目が小さく笑ってるとか。
たまにしゃべったときの語尾がすごく優しいとか。
毎日、飽きるくらいに走っているとか。
そうしてたくさんの努力を重ねているとか。
知れば知るほど、もっと知りたくなって。
新しい発見があるたび、もっと魅力的で。
そして、わたしはどうしても、どうにも、
走ってるときのふかやくんがいちばん好きだなって。
ほんとにどうでもいいようなことを、同時に発見しちゃったりもする。



