ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜

そう言う、駒野の口調は先程みたいには強くなくなっているが、
その眼差しは有無を言わせない強さを持っていた。

「…は…い…。」。

奈月は頷くしかなかった。


「…お・う・じ。」。

駒野が、声をかけると杉山は鉄アレイをサイドテーブルに置いた。

「やあ、知恵ちゃん。奈月の所には、もう行ってきてくれた?」。

「行ってきたよ。体調は良さそうだよ。」。

側の椅子に駒野は笑いを浮かべながら座った。