(そんな風に笑えるんじゃない。)




今までの笑顔が、やはり偽りである事に不満を感じた。


――でも、自分だけが、村越 綾輔の優しい笑顔を見れたという事実に、優越感も感じた。








暫くすると、午後の授業のために、去って行ったが、私は、このまま屋上にいることにした。




その翌日からも、村越 綾輔は、屋上にやってきた。


私はというと――

村越 綾輔同様、屋上に行って、村越 綾輔に、餌を貰っているのだった。










―――こんなのは、私の日常のほんの一部。

私の日常は、そもそも、こんなに穏やかじゃない。


それでも

確かに存在した、危険すぎる日常の中の一部の、穏やかな日常。