「でもっ………僕は前世なんか知らないっ‥!!」


「…知らなくていい」


「っ…玖音‥さん」


「リオン。君は知らなくていい。君は‥君なんだから」




…本当は思い出してほしい


浬音だった時の記憶を……


だが‥


それはきっと……


リオンを傷つける‥




「前世のことは‥なるべく考えないことだ」



リオンは小さく頷いた



「……………リオン……珀という奴に気をつけろ」




俺はそれだけ言うと


その場を去った