愛して野良猫



閨杜は目を閉じた



「瞼の裏に焼き付いた残像は‥いつになったら、消えるんでしょうね…」


「‥残像」


「何故ですかね……大切な思い出のはずが‥悲しい思い出にしか、感じられません…」


「閨杜…」



閨杜はゆっくりと‥


目を開ける



「…玖音…………俺は玖音の親父さんが憎い」


「‥閨杜…」


「消してしまいたいくらい…憎い。残酷なシナリオで浬音と玖音を傷つけた親父さんが……憎い」



閨杜の瞳から…


一滴の涙が流れ落ちた



「閨杜…」


「俺には何が出来るんでしょうね…」


「‥お前は子猫達の支えだ」