この日も、いつも通りの生活を送っていた。


ゴールドクラスには学級委員のような存在はないけど、放課後にあたしが最後まで残って黒板を消したり、窓を閉めたりするのが日課になっている。


カーテンも閉めたし、電気も消したし……そろそろ帰ろうかな。


カバンを肩にかけようとしたとき、突然教室のドアが開いた。




「アリスさん……?」


入ってきたのは、もう帰ったはずのアリスさんだった。


アリスさんはあたしと一瞬目を合わせると、すぐに逸らして自分の机に向かった。


そして中から忘れ物であろうものをカバンの中に入れていた。