「相変わらず、さんってつけるんだ」



「幼馴染とはいえ・・・
年上ですから」



――ジャリ


何歩か、俺の前を行ったり来たりする。



「千登勢に言ったの・・・
お前か?奏・・・」



――ジャリッ



奏は止まって


俺の目を見た。





「そうですよ。
彼だったら女友達として傍にいれるし・・・
万が一の時、力でも守れる。」


「男で女の
あいつには叶わないか・・・」


俺が呟くと


奏は笑った。



「爽香を守るには、その方法しか考えてなかったはずなのに・・・
凄く悔しそうな顔するんですね」



そう言われた俺は


数秒、奏を睨んだ。