なんて、独り言を呟きながら腰まである薄茶色の長い髪をとかした。


「よぉし。これで、いいか」


用意を適当に終わらした私は、ママが支度しといてくれた朝食を済ませて早々と家を出る事にした。



寒い道を、一人丸まりながら歩く。


「あー寒い。
コタツ〜、ストーブ〜。
あっ、肉まん食べたい」


あまりの寒さに、あったまりそうな物を口ずさんだ。


ふと、立ち止まり空を見上げる。


「雲行き悪いし。
…こりゃ、明日は、ホワイトクリスマス……ってか?」


まぁ、彼氏のいない私には、あんまり嬉しいもんじゃない。


ただでさえ、寒いのに雪なんか降ってみ?


一人のクリスマスを過ごす私にとって、さらに寒くなるのが目に見えてるじゃん………。


はぁ、と溜息を吐きながら『あっ、そういえば…』と、思い出す。


昔、お婆ちゃんから聞いた話。


なんだっけかなぁ?


確か……。


『早紀、聖なる夜に雪が降ると、ある奇跡がおこるのよ』


「そうそう、奇跡!でも、確か……」


『でもねぇ、それは誰にでもおこるもんじゃないし、人それぞれ違うものなの』