突然顔を上げ冷たい手で同じように冷たい私の頬に手を添えてきた。


絡み合う2つの視線。


「『いつか、逢いにいく。だから、元気でいて…』
それが、俺が早紀に残した最後の言葉だった」



―いつか、逢いにいく―

その言葉を聞いた瞬間、私は、今まで以上に感じたことのない鼓動の速さを感じた。


忘れもしない。


その言葉を―……。



雪の降り積もった一面の銀世界。


空を見上げれば、まだ止むことをしらない雪達が降り続けている。


そして、下を見てみればそこにいたのは冷たくて動かない貴方がいたんだ。


「……やっとだよ。
100年以上もかかった。
君が、いつか生まれ変わるの待って、そしてようやく会えた。
約束を果たすことが出来たんだ」


100年以上もの間、私を待っていてくれたの?

貴方の事を、何一つ覚えていなかった私を?


たった一つの約束を守るために、貴方は逢いに来てくれた。


夢での、あの出来事がまさか自分の前世の事だったなんて………。


でも、それでようやく納得できる。


夢を見た後の孤独感、絶望感、悲しみ。
ただの夢のはずなのに、どうして、あんなに辛かったのかが、ようやくわかった。