そんな事を思いながら、彼を待っていると、突然首に温かな温もりに包まれた。


それと同時に『お待たせ』と、待ち遠しかった人の声が耳をかすめた。


私は首の温もりを、彼がかけてくれたマフラーだと確認すると、後ろに立っている正典さんを見上げた。


振り返ると優しく微笑んでいる正典さんがいて、私も自然と笑みがこぼれた。


「本当に来てくれたんだね!」


そう言いながら、正典さんは昨日座っていたブランコに腰掛ける。


それを確認した後『約束だからね』と、そっけなく言ってしまった。


それでも正典さんは、笑顔を崩すことなく『ありがとう』と言って、私を見てくるから恥ずかしさに、私は話題を変えるため『今からどうする?』と、聞いてみた。


「うーん。
どうしようか?
俺は早紀ちゃんといれたら、それでいいけど」


顎をさすりながら首を傾げる彼。


真剣に考えている彼が、子供みたいで可愛く見えた。


可愛いと言うと、また怒られそうなので黙っとくことにした。


可愛い正典さんを見てるのもいいけど、時間も惜しく感じた私は『じゃ、ここで遊ぼうよ?』と、提案してみる。