チロリ、チロリ、と空を舞う結晶。


空高く見上げれば、一点から降り注いでいる。


白く冷たいそれは、私を容赦なく追い立てる。


空から目線を下に下げれば雪よりも、さらに冷たい貴方がいて、私は冷たい貴方の頬を撫でる。





「――――」





いくら、名前を呼んでみても動かない。


何度その頬に触れてみても、もうその瞳には私は映らない。


次第に薄れていく意識の中で、私が最後に思い出したのは貴方の言葉。


『――。いつか、また逢いに行くよ。だから、元気で……』



貴方の言葉を思い出しながら、私は雪と共に消えていった………。