私の願いも虚しく



彼の姿は既に無かった。



は、早い…



けどその分、やっぱり怖かったって事だよね



あの子の手…震えてた



どんな理由があっても、海の民にとって陸地に上がる事は凄い事



きっと、勇気がいる事




「けど…この華どうしよう…。」



私は海色の華を見据える。



確かに、私と湊は知り合いだけど



今会うのは凄く気まずいなぁ…




「ハァ…どうしよう。」




私の溜め息は、波によって消えていった。