「真由………兄貴は、」
「わかってるよ……。真は、幸せだったよね?ようやく、ずっと想い続けた人と結ばれたんだから。」

「真由………。」

進君が真由を抱き締める。
進君は、なんだか辛そうだった。

真由に真の話をしなければならなかったから?






いや。
何となく、わかる。




進君は、真由のことが好きなんだ。

きっと、真由が真を想っていることを知っていたから、一人で苦しんだんだろうな。





真由は、もう何も言わなかった。
真由の泣き声だけが、部屋に響いていた。



悲しみのメロディーのようだった。