「私が………真を愛するようになるまでは、だけど。」

真由が、ゆっくりと口を開いた。



私は、すぐには理解出来なかった。


「ま………ゆ、が?真のこと………?」

「そうだよ。ずっと、ずっと私は、真を愛してたんだよ。」

真由の目からは、まだ涙がこぼれていた。

進君が目を閉じる。
真由が話を続ける。




「真は………私に振り向いてくれることはなかった。真のこころの中にはいつも一人の女の子がいて、私の入る隙間なんてなかった。でも私は真を諦めることが出来なかったから…………」

真にはもう会わない、そう決めて、離れた。

真由は苦しそうにそう言って、笑った。

いや………笑おうとした。
それは、笑みの形にはならなかったから。