「兄貴は………よく俺に心さんの話をしてくれた。『人のこころに誰よりも敏感で、繊細で。あの子がいなければ今の俺はいない』って。さっきの俺と同じ言葉でしょ?きっと、俺にとっての兄貴は兄貴にとっての心さんなんだ。………すごく、すごく大事。」

「真が………。本当に、私を?」

進君は、静かに頷く。

「だから、兄貴にとって、心さんがどれだけ必要で、大事だったか、俺にはよくわかる。」


―こ……ころ。心。大好きだ。―







今になって、彼の想いを知ってしまえば余計に辛い。


でも真の想いは温かくて。



私は真に出会ったこと、再会したこと。





愛し合ったこと。
全部、後悔してはならないのだと悟った。