「私達は似てる。お互いがお互いを守ろうとして、傷つくよね。だから、離れようと思った。」

「俺はそんな心さんだから、好きなんだ。繊細で、優しくて、俺を理解してくれる人だから。」

「私も……そんなあなただから、好き。あなただから、もう一度、恋ができた。」




そういって二人で笑いあってキスをした。もう一度、二人の顔が近づいた瞬間、風がさらっと通りすぎた。イタズラに、でもすごく、暖かい。



『今のって、』



顔をあげた二人の声が重なって、また二人で笑いあった。




きっと、同じように思ったんだよね?



『今の風は、真だ』って。










―完―