最期の夜、私はハンバーグを作った。

進君を想って。

作ると、約束していたから。

もう、彼とした約束を破りたくなかった。



『……いかない。』

この約束を、私は破るから。




「……すげぇ、美味しい。」

そういって微笑むあなたは、やっぱりいとおしい。

「俺さ、本当に、心さんに、癒されてたよ?兄貴がいなくなって、どこをみたらいいか、わからなくなった俺のこころを、心さんは、照らしてくれた。」

私は何もしていないのに。