「が、頑張って!」

なんていったらいいのか、わからなかったけど、声をかけた。

「はいよ。何色がいい?」

「え、あ……茶色。」

「はいよ。」

一回目。私からすればぬいぐるみのちょうどお腹の辺り、いいところでアームがとまる。

「わぁ、すごい。」

思わず声がでた、けれどぬいぐるみは持ち上がらず、微動だにしないままアームは対象を捕えず上昇してしまった。

「あ~……思ったよりもアーム弱いな。」

「む、無理なら、いいわよ?」

悔しそうに呟く進君に、そういった。思ったよりも難しそうだし。

「や、……むしろそんなこと言われたら余計とるしかないっしょ。」

「え……?」

「俺にも、意地があるってこと。」