そういえば、街をただぶらぶらと歩くなんて、久しぶりだ。

息抜きに遊んだり、散歩したり、そんな時間を私は忘れていたんだ。


……あの時から。

「真とね、一度だけしたデートは、すごく楽しかった。映画みて、遊んで、食事して……。」

「兄貴のにやけた顔が目に浮かぶな~。」

進君は懐かしそうな表情をうかべて微笑んでいた。

「真、ボーリングがすごく上手だった。」

「俺はボーリング駄目なんだよ。いつも兄貴にフォーム直されてさ。でも、どうしても曲がるんだ。超下手だよ。」

「やっぱり兄弟とはいえ、違うものよね。」