「とにかく……あがれば?美姫。絶対このまま帰れって言っても帰んないだろ、おまえは。心さん……いいかな?」 私に拒否できるわけない。ここは進君の家だし、私は……真の恋人、だ。 過去形に、したくない。私が認めたら、私が『だった』なんて過去にしたら、本当にそうなってしまう、から。 「えぇ。」 なんとか声を絞りだした。 すると、美姫さんは頭を下げて、『すみません。お邪魔します。』と呟いた。