………まずい。

「あの、これは」
「一緒に住んでるから。この人と。」

何とか言い訳しようとした私を遮って、進君がそう言った。

「っ!先輩……?よく、わからないんですけど?その人真さんの、彼女さんなんですよね?」

「兄貴は……もういない、から。」

彼女は、真を知っていたのだろう。少し驚いて、そして意味を噛みしめ、目を閉じて、俯いた。
でも、それだけだった。

「真さんが………、それで?」

「色々あって、一緒に住んでる。」