「………心さん!」

進君の声で、意識を戻す。
目を開けて、ぼやけた視界に私は泣いていたのだ、と気がつく。
次に感じた感覚は、『温かい』。

すぐにその正体に気がついた。進君が、私を抱き締めてくれていた。



「進……く……ん?」

頭はしっかりと回らない。
進君の腕の力は、ゆるむことがなく、ただただ、温かかった。まるで、私をこの世界にとどまらせるように、私に、現実を理解させるように、優しかった。





「………マジで、心配させんな……。」