その話を聞いて、俺はすぐに先輩に連絡を入れた。 『…こっち来い!桐生は今研究室にいるから』 それからすぐに、先輩に特別に開発センターのロックを解除してもらって桐生菜月の研究室を訪ねた。 外は雨だったが、そんなものは関係ない。 傘を開く時間ですら惜しかった。 ―――それから彼女の話を聞いた。 震える声で話し続ける姿を見て、俺の方が泣きそうになった。