―――そして翌日。 「なんであなたが…」 私は昨日渡されたスーツ風の上下を無理矢理着させられ、絶句した。 なぜなら私を迎えに来たのはあの男。 松島…とか言う奴だったからだ。 彼は申し訳なさそうに頭を下げると口を開いた。 「これも仕事だと思って大人しくついてきてくださいね」 それだけ言うと、彼は道路脇に止めてあった車を指さした。 「さ、行きましょう。先方は桐生さんに会うことを楽しみにしていますから」