「…そういや桐生、本社営業部の松島って知ってるか?」 先輩の突然の質問に、私は眉間にしわを寄せた。 …誰? 「いや。知りません」 「そうか。…その松島ってのは仕事ぶりは優秀で有名な奴なんだけど、昨日研究開発部の女子社員にいきなり迫ったらしい。本社で噂になってたぞ」 ………は!? 私は先輩のその言葉にギクッとしてしまった。 「まぁ、ウチの女子社員なんて一人しかいないわな。な、桐生?」