乱れた吐息でそう呟いた彼は、私を抱き抱えるとベッドに移動させた。 「―――千尋さん?」 「キスだけでいいから。お願い、許して…」 ………それからどのくらいそうしていたのか。 私は途中から意識を手放してしまっていて、夢と現実の区別もつかなかった。 テーブルの上にはいつの間にか上から箱で覆われたケーキと、開けっ放しの小さな箱。 その小さな箱から出されたモノは、私の指で輝いていた。 「―――愛してるよ、菜月」 そっと囁かれた愛の言葉が、指輪に光った。 【Fin】