「…私、何でこんなになってるんですかね?」 私がそう呟くと、先輩はため息をついた。 「それは松島に聞けよ」 「………それはもう」 できない。 そう最後まで言ったつもりだった。 ―――しかし、私の意識はそこで途絶える。 もうろうとする意識の中、私のまぶたに映るのは松島千尋。 さっき見た姿じゃなく、パンダのぬいぐるみを買ってくれたときの優しく笑う姿だった。