結婚を決めてから数週間後のことです。
読書が好きな王子様はよく城の図書館に行きます。
そこには同じく読書好きな少女もよくいて、本を薦めあうのです。
その日も少女は静かに本を読んでいました。
王子様は集中してるところを邪魔してはいけないと思い、離れた場所から少女を見つめていました。
しかし少女はいきなり涙を流し始めました。
そんなに感動する本だったのかと思った王子様でしたが、少女の言葉に戸惑いました。
『私は誰なの……?』
少女は何故泣いているのでしょう?
王子様はなんと声をかければいいか迷いました。
少女の言葉の理解できなかったのだから無理もありません。
すると少女は泣き顔を手で隠しながら図書館を勢いよく出て行きました。
王子様は慌てて追いかけます。
少女はお爺さんのお墓の前で泣き崩れていました。


