バージはバサバサと羽ばたいて道端の木に舞い降りた。
やっと追い付いた右京は膝に手をついて呼吸を整える。
─早く!助けて!
バージの言葉に右京は顔を上げた。
道の先にある川の流れが聞こえる。
スコールのせいで水位が増えたらしく、その音で流れの勢いがかなり速い事が判る。
水の音に紛れて微かに人の声が聞こえた。
『…まさか…』
間違いない、コーディの声だ!
吸い込まれそうな濁流を見つめ、必死にコーディの姿を捜す。
『コーディ!!』
何処だ…何処に居る!?
『た…けて…!』
居た…!
コーディは川の中洲だった所に生えていた木にしがみついていた。
『コーディ!!』
声を張り上げた右京に気付いてコーディがこちらを見た。
『ウキョウ…!た…助けて、ウキョウ!』
『今助ける!だから絶対放すなよ!?』
とは言ったものの…どうする!?
この水の流れをどうにかしないと…!
…水の流れ…?
記憶が交錯する。
脳裏に一瞬蘇った記憶と伴に背中に走る激痛…。
水なら…“アイツ”が得意なはず…

