『勿体無ぇ…お前、ホント馬鹿だよ。あ~勿体無ぇ…』
さっきから何回“勿体無ぇ”を聞いただろか?
モニターを睨んだまま、また『勿体無ぇ…』と呟いたロイにいい加減右京は『やかましい!!』と声を荒げた。
『俺がおかしいのか!?』
『あ~おかしいね!やっぱりお前は馬鹿だよ!』
そう言い切るロイが右京を横目で見る。
『つか、そこまでグラついてよく思いとどまったな?』
何気なく話した昨日の一件についてロイは『理解出来ない』と呟いた。
『黙ってりゃ~わかんねぇのに…。』
『後ろめたくなるだろうし、俺の忍に代わりは居ないんだよ…』
『やっぱり人間じゃねぇってのが判るわ…。』
そんな所で判別して欲しくないと思う。
『じゃあロイはもし自分の彼女が他の男とそうなってたらどうだよ…。』
『許せねぇに決まってんだろ!』
『矛盾してんじゃん…』
『男は独占欲が強くてプライドが高い生き物なんだよ!』
確かに否定は出来ないが、右京はいまいち納得がいかない。
『アラン、何とか言ってくれよ…』
助けを求める右京にアランはPCから顔を上げた。

