とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





『勿体無ぇ…お前、ホント馬鹿だよ。あ~勿体無ぇ…』




さっきから何回“勿体無ぇ”を聞いただろか?




モニターを睨んだまま、また『勿体無ぇ…』と呟いたロイにいい加減右京は『やかましい!!』と声を荒げた。




『俺がおかしいのか!?』




『あ~おかしいね!やっぱりお前は馬鹿だよ!』




そう言い切るロイが右京を横目で見る。




『つか、そこまでグラついてよく思いとどまったな?』




何気なく話した昨日の一件についてロイは『理解出来ない』と呟いた。




『黙ってりゃ~わかんねぇのに…。』




『後ろめたくなるだろうし、俺の忍に代わりは居ないんだよ…』




『やっぱり人間じゃねぇってのが判るわ…。』




そんな所で判別して欲しくないと思う。




『じゃあロイはもし自分の彼女が他の男とそうなってたらどうだよ…。』




『許せねぇに決まってんだろ!』




『矛盾してんじゃん…』




『男は独占欲が強くてプライドが高い生き物なんだよ!』




確かに否定は出来ないが、右京はいまいち納得がいかない。




『アラン、何とか言ってくれよ…』




助けを求める右京にアランはPCから顔を上げた。