その視線が『えっ…そっち系?』と言っている。
右京はブンブンと首を左右に振る。
『あ~すみません。私達の関係は秘密でしたか…』
そう言って首筋を舐められ右京は勢いよく立ち上がった。
『クドラク!!』
『はい、なんです?』
『…ちょっと来い。』
唖然とするジュリア達を無視してクドラクの胸ぐらを掴み、彼を店の外まで引きずり出した。
『ふざけんなよ!お前何考えてる!?』
『特に何も。…あ~強いて言えば血を頂きたいですね~』
『それ今じゃなくてもよくないか!?』
右京の剣幕にクドラクは『冗談ですよ』と笑った。
『ちょっとした情報を入手しましてね?それを伝えに来ました。』
『…情報?』
『ええ、オオカミと山羊の話なんですが…』
それを聞いて右京はピクリと片眉を上げた。
『最近、片角を折られた山羊が居ましてねぇ。オオカミが仕返しをしようと山を降りるとかなんとか…』
『山を…それはマズイな。』
『まぁ、オオカミもあちこちでハンターにやられて数が意外と減ってるみたいですし…
今すぐって訳ではないと思いますがね。』
あちこちって事はやはり潤も動いているのか…。

