彼女の友人達は明らかに自分とジュリアの仲を取り持とうとしてるのが判り、右京はかなり居心地が悪かった。
こういう時、空気の読めないマイク達が有難く思える。
『クロウ飲み物は?』
『持って来た。』
『ショットで!?相変わらずだな…』
『違うよジェイ。クロウは酔った勢いで…ふごっ!?』
また余計な事を言うマイクの口にとりあえずビール瓶を突っ込む。
酔いが回ってテンションが上がってきた女性陣に右京は質問攻めにされ、うんざりし始めた時だった。
不意に視線を感じビールを片手に後ろを振り返った。
ジッとこちらに視線を送る青白い顔をした長身の青年。
『………………。』
ゆっくりと視線を反らしビールを煽る。
─ありえない…なんでアイツ、ここに居るんだ!?
どうか話し掛けられませんようにと願う。
『…なんで無視するんです?』
右京の願いは僅か10秒足らずで砕け散った。
『な…なんの事?』
『とぼけちゃって…』
右京の耳元で囁きながら顎に這わせる指に、ゾゾッと悪寒が走る。
そして皆の視線が痛い…。

