とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





『なんならアランにも聞いてみたら?』




『あいつに聞いたらややこしくなる。』




先の先まで読んで行動するくらい計算高い男だ。




─怖くて聞けねよ…。




二人は別れ間際に『避妊はしろよ!』とえげつない事を爽やかに言って去って行った。





アパートに帰って来た右京はバジリスクに『おかえりなさいませ』と出迎えられた。





ソファーにドカッと座った右京の目の前でバジリスクは紅茶を淹れる。




『バージ。…最近の俺っておかしいくないか?』




『なんです?いきなり…』




『なんかおかしいんだよ…前まで忍以外のヤツに興味もわかなかったのに…』




『………今の発言は聞かなかった事にします。』




『…………そうだな。』




右京は紅茶を飲み干すと『シャワー浴びて来る』と告げて立ち上がった。




『あ、マスター。』




『ん?』




『…ただ単に寂しいからだと思います。』





それだけ言ってバジリスクは右京にバスタオルを手渡した。




『…ありがとう。』




そう言って右京が彼女の頭を撫でると、バジリスクは『はい』とにっこり微笑んだ。





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