『なんならアランにも聞いてみたら?』
『あいつに聞いたらややこしくなる。』
先の先まで読んで行動するくらい計算高い男だ。
─怖くて聞けねよ…。
二人は別れ間際に『避妊はしろよ!』とえげつない事を爽やかに言って去って行った。
アパートに帰って来た右京はバジリスクに『おかえりなさいませ』と出迎えられた。
ソファーにドカッと座った右京の目の前でバジリスクは紅茶を淹れる。
『バージ。…最近の俺っておかしいくないか?』
『なんです?いきなり…』
『なんかおかしいんだよ…前まで忍以外のヤツに興味もわかなかったのに…』
『………今の発言は聞かなかった事にします。』
『…………そうだな。』
右京は紅茶を飲み干すと『シャワー浴びて来る』と告げて立ち上がった。
『あ、マスター。』
『ん?』
『…ただ単に寂しいからだと思います。』
それだけ言ってバジリスクは右京にバスタオルを手渡した。
『…ありがとう。』
そう言って右京が彼女の頭を撫でると、バジリスクは『はい』とにっこり微笑んだ。
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