とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





忍はコホンと咳払いして「とにかく!」と右京を諭す。




「右京みたく所構わずそういうこと言えないの!」




「っんだよ…俺だって最近変なのに目付けられて大変なに…貞操の危機なんだよ!判る?」




「…全くわかんないわよ…何、貞操の危機って…」




右京に限って浮気なんて…




……




「…浮気?」




「ちげーよ!!」




「じゃあ何よ…」




「だからぁ~四六時中狙われて…やばいっ…言ってるそばから…」




携帯から聞こえるガタンッバタンッという音に眉を寄せる。




─アイツなにやってんの?




「やめろ」とか「こっちくんな」とか…




「…あ~…と…取り込み中ならもう切るね?」




右京の「待って」と言う声を無視して忍は通話終了ボタンを押した。




「よくわかんないけど頑張れ!」




携帯に向かってそう呟いて忍は改札に向かう。




帰ったら荷物をまとめようと考えながら…。





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