「もしルシファーの力を回復させたいのなら、間違いなく狙って来る。」
「でもあれはただの伝説よ?本当にあるかどうか…」
「本当にあったとしたら…?」
もしそれが存在するとしたら、絶対にルシファーに渡してはいけない代物だ。
「先手を打つって言いたいの?」
「正解!だから手分けをするのに忍の力が必要なんだ。」
「わ…私!?…何をさせるつもりよ!」
「そりゃ~色々とね。だから早くこっち来て。」
─簡単に言わないでよ…
と思いながらも、必要とされてる事が少し嬉しい。
何より単調な毎日に少し退屈していたのだ。
それに右京に会えるのなら尚更である。
「…って言うのは口実。本当は俺が忍に会いたいだけ。」
その言葉に鼓動が高鳴る。
「…しっ…仕方ないわね…チケット取ってみるわ。」
忍の思ってる事なんてお見通しの右京はちょっと不満そうに「おい…」と低い声を発した。
「素直に“私も会いたい♪”とか言えないの?」
「言えないわよ、恥ずかしい。」
「言えよ!“右京に会えなくておかしくなりそう”って言って!」
「ばっ…馬鹿じゃないの!?おかしいのは右京の頭じゃん!!」
思わず外なのを忘れて大声を出して周りの視線が痛い。

