とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~



「石板と壷はいいとして、問題は“アロンの杖”だ。…判りやすく言えばあれは“魔法の杖”ってヤツだ。」




「なるほど…ルシファーが“契約の箱”を狙っているのは“アロンの杖”があるからって訳ね?」




「そう。だけど、俺の記憶が正しければ“アロンの杖”は聖櫃から別の場所に移されてる。」




それが何処なのかがはっきりしない。




P2でそれについてちょっとした討論になった。




「そんな流れで思い出したんだよ…“ヴォイニッチ手稿”をさ!」




右京が記憶喪失になったのも、あの手稿絡みである。




「…嫌な予感がするんだけど…まさか…解読する気!?」




「さすが忍!鋭いね~」




─だからニコールはアメリカへ渡ったのね…。




それは恐らく、“ヴォイニッチ手稿”の内容を手に入れる為…。




「あの手稿に“契約の箱”の在処が書かれてるって言うの!?」




「ん~…その可能性はあるな。だけどその前に、ルシファーが目立って動かないだろ?それが気になるんだよ。」




「これはアランの立てた仮説なんだけど…」と右京はヴォイニッチ手稿の内容について語り出す。