目に付くのは辺り一面床にざらつく何か…
『…なんだこれ…?…砂か?…』
指でひと摘まみしてみると、意外とさらさらしていて砂と言うより灰のようだった。
『どっかの隙間から入ったのか…?』
正面に目を向けると豪華な手すりの階段があり、その奥に扉が見えた。
上か…下か…
『…まぁ、下だろうな。』
二階は明かりを付けたら人目を引く。
たむろするとすれば目立たない一階か地下だろう。
迷わず階段奥の扉を開けた。
まるで最近まで誰かが住んでいた様にキレイだ。
壁に飾られた絵画を眺め、首を捻る。
ごちゃごちゃと塗りたくられていて何の絵なのか解らない。
アンダーソンは一歩下がって再度絵画に目を向けた。
『…なんだ?』
風景画の様だが“地獄絵図”という言葉が頭に浮かんだ。
『…金持ちのセンスはわからんな…』
そもそもアンダーソンには美的センスそのものが皆無なのだが、それを金持ちのせいにして辺りを見回す。
扉が3つ。
片っ端から開いてみる。
右手前は納戸。
その奥は応接間らしき部屋。
最後の一つは地下へ続く階段。
『ビンゴ』
アンダーソンはポケットからペンライトを出すと、地下へ降りて行った。

