とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~




目に付くのは辺り一面床にざらつく何か…




『…なんだこれ…?…砂か?…』




指でひと摘まみしてみると、意外とさらさらしていて砂と言うより灰のようだった。




『どっかの隙間から入ったのか…?』




正面に目を向けると豪華な手すりの階段があり、その奥に扉が見えた。




上か…下か…




『…まぁ、下だろうな。』




二階は明かりを付けたら人目を引く。




たむろするとすれば目立たない一階か地下だろう。




迷わず階段奥の扉を開けた。




まるで最近まで誰かが住んでいた様にキレイだ。




壁に飾られた絵画を眺め、首を捻る。




ごちゃごちゃと塗りたくられていて何の絵なのか解らない。




アンダーソンは一歩下がって再度絵画に目を向けた。




『…なんだ?』




風景画の様だが“地獄絵図”という言葉が頭に浮かんだ。




『…金持ちのセンスはわからんな…』




そもそもアンダーソンには美的センスそのものが皆無なのだが、それを金持ちのせいにして辺りを見回す。




扉が3つ。




片っ端から開いてみる。




右手前は納戸。




その奥は応接間らしき部屋。




最後の一つは地下へ続く階段。




『ビンゴ』




アンダーソンはポケットからペンライトを出すと、地下へ降りて行った。