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あの後、母親から聞いた親友の二人を見つけて話を聞いてみた。
明らかに挙動不審で何か隠しているのは明確だった。
『おじさんは刑事じゃない。ただの探偵だからね…別に何かを告げ口するとかしないよ?』
そう言うと幾分落ち着いたらしく、少女らは躊躇いがちに口を開いた。
『あの…ここだけの話にしてくれますか?』
そう切り出したのはリタだった。
モリーもリタも今時珍しいくらい真面目を絵に描いたような少女だった。
『私達…ラナに脅されてたんです…。』
思いもよらない言葉にアンダーソンは眉を寄せる。
『何故?』
『試験での不正行為を彼女に知られてしまって…』
彼女達は“優等生”というレッテルを守る為に不正を働いた。
いけない事と判っていながら…。
ラナはそれを盾に彼女達に“親友だと両親に公言しろ”と言って来た。
最初は“たかがそんな事くらいか”と深く考え無かった。
誰に対しても優しく人気者、真面目で成績優秀な優等生。
そんな表の顔は日が経つにつれ、次第に裏の顔が明らかになった。
男…お酒…タバコ…そしてドラッグ。
ラナは夜中に“勉強会”と偽って家を抜け出し、そのアリバイをモリーとリタは押し付けた。

