とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





『おじさんは探偵なんだ。ラナが帰って来なくてご両親が心配してる。』




そう言うと少年は鼻で笑った。




『娘を心配してんだか、自分の体裁を心配してをだか…』




そう言う少年をアンダーソンは不思議そうに見た。




『想像つくだろ?優等生のラナがどれだけプレッシャーを受けてたか…だから裏でラナがやってた事を俺は別になんとも思わないよ。』




『ラナは裏ではどうだったんだい?』




アンダーソンの問いに少年はちょっと辺りを気にして声を潜めた。




『そりゃスゲーよ…あんな事やこんな事も…』




『…あんな事やこんな事じゃ判らないじゃないか…』




『俺に言わせる気!?…とにかく!ラナは裏では“ぶっ飛んでた”って事!』




まだ若者の言葉が理解出来ないアンダーソンに少年は『駅前のクラブに行ってみな』と教えてくれた。




去って行こうとする少年を『君…待って!』とのそのそと追いかけた。




『ラナの親友の名前を親御さんに聞いたんだ。モリーと…リタ。知ってるかい?』




『モリーとリタは知ってるけど…ラナの親友だなんて初耳だぜ?』




その事実にアンダーソンは呆気に取られて暫くぽかーんと口を開けたままだった。