『おじさんは探偵なんだ。ラナが帰って来なくてご両親が心配してる。』
そう言うと少年は鼻で笑った。
『娘を心配してんだか、自分の体裁を心配してをだか…』
そう言う少年をアンダーソンは不思議そうに見た。
『想像つくだろ?優等生のラナがどれだけプレッシャーを受けてたか…だから裏でラナがやってた事を俺は別になんとも思わないよ。』
『ラナは裏ではどうだったんだい?』
アンダーソンの問いに少年はちょっと辺りを気にして声を潜めた。
『そりゃスゲーよ…あんな事やこんな事も…』
『…あんな事やこんな事じゃ判らないじゃないか…』
『俺に言わせる気!?…とにかく!ラナは裏では“ぶっ飛んでた”って事!』
まだ若者の言葉が理解出来ないアンダーソンに少年は『駅前のクラブに行ってみな』と教えてくれた。
去って行こうとする少年を『君…待って!』とのそのそと追いかけた。
『ラナの親友の名前を親御さんに聞いたんだ。モリーと…リタ。知ってるかい?』
『モリーとリタは知ってるけど…ラナの親友だなんて初耳だぜ?』
その事実にアンダーソンは呆気に取られて暫くぽかーんと口を開けたままだった。

