ウキョウが意識を取り戻したある日、学校から戻る途中でコーディはまたあの鷲の姿を見つけた。
自分の家の上辺りを旋回していて、ゆっくり高度を下げたのを見るとコーディは家路を急いだ。
『今日こそ近くで見るんだ!』
だが鷲はいつもの木にはいなかった。
コーディは落胆気味に家に向かって歩き出した時、ウキョウが玄関先に座って居るのが見えた。
腕にはあの鷲が居て嬉しそうにウキョウに擦り寄っている。
ウキョウも鷲に何か話し掛けていて、その光景は不思議な感じがした。
脅かさないようにゆっくり近付いてみたが、鷲はコーディに気付いて飛び上がってしまった。
ウキョウにそれを咎められるかと思ったが、彼は全くそんな素振りを見せなかった。
『おかえり、コーディ。』
優しく微笑んでそう言うウキョウにコーディは『ただいま』と言うと駆け寄る。
『あの鷲、ウキョウの鷲なの!?』
『いや…多分違うよ。でも彼女は俺を知ってるみたいだ…』
『彼女…?あの鷲は女の子なの!?』
『多分ね。バージって言うらしい。』
『なんで名前が判るの?』
『さぁ…なんでだろう…』
ウキョウの言葉はどこか寂しげでコーディはそれ以上聞けなかった。

