とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





『いいか、バージ。ああ言うやらしい目をした男は無視するんだぞ?』




『…?…はぁ…』




あまりよく判ってないバジリスクの肩を抱くように入口に向かう。




『じゃあ、ニックと交代する。連絡よろしく!』



右京はインカムを装着しながらそう言うとロイが軽く手を上げて応えた。




『マスター、質問があります。』




『どうした?』




『“誘惑”はどうしたらいいのでしょうか?』




『…俺に聞くのかよ…』




『シンディに聞いたら足を組み換えて微笑んでればいいと…』




『ん…いいんじゃないか?それで…』




バジリスクは『承知しました』と無表情で言うと道の先を睨む。




『あ、クドラク以外は相手にするなよ。』




『バンパイアですね?大丈夫です。臭いでわかりますから。』




キッパリ言うバジリスクにちょっと安心した。




インカムからピッと機械音がしてアランの声が聞こえた。




『ニックが戻った。やはり大男は被害者だった。』




アランの説明だと、女を取られた事で大男がクラブから連れ出すと、細身の男が豹変したらしい。



『結局女は帰って来ず、警察にも信じて貰え無かったって話だ。』




『言ったもん勝ち…か…。偏見だな。』




納得いかなそうにそう呟く右京に『そんなもんだ』とアランは言った。