とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~




『ストリゴイは?』



『あの後クロウとクリスが頑張ってくれたからな。目立った被害は出てない。』




それを聞いて右京は胸を撫で下ろす。




確かに昨晩クリスの“狩り”に付き合って、かなりの数を討伐した。




『だが、そのせいでクドラクがこちらを警戒してるかもな…』




『それは言えてる。一気に畳み掛けた方がいい。』



そんな会話をしているとシンディの『お待たせ』と言う言葉に皆が振り返った。




『完璧よ。もう少し背が高かったらうちのモデルに使いたいくらいね~』



上機嫌なシンディに促されて出て来たバジリスクにロイが『amazing…!』と口笛を吹いた。




思いっきりミニのパンツとショート丈のシャツを胸元まで開け、豊満な胸が強調される。




『…歩きづらい…。』




ピンヒールのサンダルが気に入らないらしいが、見事に子供らしさが抜け大人ぽく見えた。




『上出来だ。似合うよ、バージ。』




右京がそう微笑むとバジリスクは嬉しそうに笑った。




『しっかし…でかいな…。』



『ああ…でかいな…。』




ロイとアランがバジリスクの胸を見てそう呟くと、右京が二人の頭をベシベシと叩いた。




『お兄様がご立腹らしい。』




笑いながらそう茶化され、右京はちょっと口を尖らせた。