『シンディに任せておけば大丈夫だろう。…それよりちょっと見てくれ。』
アランはロイが見つめるモニターを指差した。
『ダンの傍受した警察無線の中に例のクラブで起きた障害事件があったんだ。』
アランの指示でロイは当時の防犯カメラの映像を再生する。
『左上だ。…わかるか?』
ロイが指差した画面左上を右京は身を乗り出す様に見つめた。
最初影の塊がモゾモゾと動いてるだけのように見えたが、一瞬近くを通り過ぎた車のライトに照らされてその様子が鮮明に浮かび上がる。
ガッチリした体系の男が店の壁に凭れて座り込んでいる。
それを見下ろしている細いひょろっとした男…。
背を向けていて顔は見えない。
『…体系は似てるが…判らないな…』
『でもこの図はどこか不自然じゃないか?』
ロイにそう言われてもう一度見直す。
確かに不自然だ。
『…この大男が被害者?』
『いや、細い方だ。だがカメラの映像だと、どうみても被害者は大男だろ?』
と言うことは障害事件は狂言って事か…。
『今ニックがクリスと裏を取りに行ってる。』
さすがにアランだ。
抜け目のない行動に右京はただ関心する。

